設定レジストリには、Windows オペレーティング システム、および Windows が動作しているコンピュータで有効なすべてのサービスの動作環境を定義する値が格納されます。通常、これらの値を変更する場合は、コントロール パネルや Windows セットアップ、インターネット サービス マネージャなどのグラフィカルなツールを使います。また、Windows オペレーティング システム自体にもレジストリ エディタ (regedit.exe) というユーティリティが付属しており、これを使って設定レジストリを直接調べて変更することもできます。
レジストリを変更するときは、「Microsoft Windows NT リソース キット」に付属の『Windows NT リソース ガイド』の「第 4 章」を参考にしてください。この章では、レジストリ内の各種パラメータの使い方や変更のしかたなどについて詳しく説明しています。
レジストリ パス:
HKEY_LOCAL_MACHINE\SYSTEM
\CurrentControlSet
\Services
\W3SVC
\ASP
\Parameters
次の表は、Active Server Pages でデフォルトでインストールされる各レジストリ エントリについて詳しく説明したものです。個々の表には 3 つの項目があります。1 番目の項目は、レジストリの値エントリとそのクラスまたは型を示すものです。2 番目の項目は、エントリ値の有効範囲とデフォルト値です。3 番目の項目では、該当するレジストリ エントリが Active Server Pages の動作やパフォーマンスに与える作用について説明しています。
AllowSessionState REG_DWORD |
有効範囲: 0 または 1 デフォルト: 1 |
このフラグは、Active Server Pages がアプリケーションに対してセッション状態を生成できるかどうかを制御します。1 に設定した場合、Web サイト内の .asp ファイルにアクセスするすべてのユーザーに対して、ASP スクリプトからセッション状態を許可することができます。0 に設定した場合は、セッション状態は許可されません。この場合、Web サイトにアクセスするクライアントに ASPSessionID cookie が送られず、セッション内に何らかのデータを格納しようとしたり、Session_OnStart や Session_OnEnd を使おうとするとエラーになります。この設定を変更した場合は、Web サーバーをいったん停止してから再起動して、変更内容を有効にする必要があります。 |
BufferingOn REG_DWORD |
有効範囲: 0 または 1 デフォルト: 0 |
このフラグは、Active Server Pages がブラウザへの出力をバッファ処理するかどうかを制御します。オン (1) に設定した場合、出力はすべて集積されてからブラウザに送られます。これにより、スクリプト内部の任意の場所から HTTP ヘッダーを設定することが可能になります。このデフォルト設定を変更するために Response.Buffer メソッドが使えます。この設定を変更した後に Web サーバーをいったん停止して再開し、変更内容を有効にするという作業は必要ありません。 |
DefaultScriptLanguage REG_SZ |
有効範囲: 文字列 デフォルト: VBScript |
この値は、すべての Active Server Pages アプリケーションの主要スクリプト言語として使われるスクリプト言語を示します。主要スクリプト言語は、Active Server Pages のスクリプト区切り記号 (<% および %>) で囲まれた部分で使うことができます。デフォルト値は VBScript です。<%@ LANGUAGE = ScriptingLanguage %> というコマンドを使うと、このデフォルト設定を変更できます。この設定を変更した場合は、Web サーバーをいったん停止してから再起動して、変更内容を有効にする必要があります。 |
EnableParentPaths REG_DWORD |
有効範囲: 0 または 1 デフォルト: 1 |
このフラグは、Active Server Pages でカレント ディレクトリからの相対パスを使用可能にするかどうか (".." の操作によってディレクトリ階層の 1 つ上に移動できるかどうか) を制御します。デフォルト設定は True です。この設定では、インクルード パスからサーバーの仮想ルート空間以外の場所にあるファイルにアクセスすることが可能になるため、セキュリティ上多少問題があります。Web サイトの管理者は、このようなアクセスを許可したくない場合にこの値を 0 (False) に設定することができます。この設定を変更した場合は、Web サーバーをいったん停止してから再起動して、変更内容を有効にする必要があります。 |
LogErrorRequests REG_DWORD |
有効範囲: 0 または 1 デフォルト: 1 |
このフラグは、Web サーバーが失敗したクライアント要求を Windows NT イベント ログ ファイルに書き込むかどうかを制御します。値 が 1 の場合はエラーがログに記録され、0 の場合は記録されません。この設定を変更した後に Web サーバーをいったん停止して再開し、変更内容を有効にするという作業は必要ありません。 |
MemFreeFactor REG_DWORD |
有効範囲: 50〜150 デフォルト: 50 |
この値は、空きメモリ リストの最大長を、使用中のメモリ リストの割合で示します。この設定を変更した場合は、Web サーバーをいったん停止してから再起動して、変更内容を有効にする必要があります。 |
MinUsedBlocks REG_DWORD |
有効範囲: 5〜20 デフォルト: 10 |
この値は、要素が解放できる前の使用中のメモリ リストの最小長を示します。この設定を変更した場合は、Web サーバーをいったん停止してから再起動して、変更内容を有効にする必要があります。 |
NumInitialThreads REG_DWORD |
有効範囲: 1〜150 デフォルト: 2 |
この値は、Active Server Pages が起動時に作成する作業用スレッドの数を示します。この値が ProcessorThreadMax で示されている最大許容スレッド数を超えている場合、Active Server Pages は NuminitialThreads ではなく ProcessorThreadMax のほうを使用します。この値を変更した場合は、Web サーバーをいったん停止してから再起動して、変更内容を有効にする必要があります。 |
ProcessorThreadMax REG_DWORD |
有効範囲: 1〜0x000000C8 デフォルト: 10 |
この値は、1 プロセッサごとに作成する作業用スレッドの最大数を示します。通常は、1 プロセッサあたり 20 を超えるスレッドを作成する必要はありません。この値を変更した場合は、Web サーバーをいったん停止してから再起動して、変更内容を有効にする必要があります。 |
RequestQueueMax REG_DWORD |
有効範囲: 1〜0xFFFFFFFF デフォルト: 500 |
この値は、各スレッドが使用する要求キューの中に保持しておく、.asp ファイル要求の最大数を示します。制限値に達すると、クライアントにレジストリ値 ServerTooBusy が送られます。この値を変更した場合は、Web サーバーをいったん停止してから再起動して、変更内容を有効にする必要があります。 |
ScriptEngineCacheMax |
有効範囲: 0〜0xFFFFFFFF デフォルト: 30 |
この値は、Active Server Pages がメモリ内にキャッシュしておく ActiveX 言語エンジンの最大数を示します。この値を変更した場合は、Web サーバーをいったん停止してから再起動して、変更内容を有効にする必要があります。 |
ScriptErrorMessage REG_SZ |
有効範囲: 文字列 デフォルト: URL の処理中にサーバー上でエラーが発生しました。システム管理者に連絡してください。 |
このメッセージは、ScriptErrorsSentToBrowser が False に設定された場合にブラウザ上に表示されます。この設定を変更した後に Web サーバーをいったん停止して再開し、変更内容を有効にするという作業は必要ありません。 |
ScriptErrorsSentToBrowser REG_DWORD |
有効範囲: 0 または 1 デフォルト: 1 |
このフラグは、Web サーバーがデバッグの詳細情報 (ファイル名、エラー番号、行番号、エラーの説明) をログだけでなくブラウザに書き込むかどうかを制御します。この設定を変更した後に Web サーバーをいったん停止して再開し、変更内容を有効にするという作業は必要ありません。 |
ScriptFileCacheSize REG_DWORD |
有効範囲: 0〜0xFFFFFFFF デフォルト: -1 |
この値は、Active Server Pages のパフォーマンスを向上させるためにコンパイル済みスクリプト ファイルをキャッシュしておくメモリ領域の割り当て量をバイト単位で示します。0 および -1 は特別な値であり、0 を指定した場合スクリプト ファイルはキャッシュされなくなります。また、-1 (デフォルト) を指定した場合は要求されたすべてのスクリプト ファイルがキャッシュされます。キャッシュ機能を使わないとパフォーマンスが低下することがあります。ファイル通信量の非常に多いサイトでは、システム上に十分な量の RAM があればこのサイズを増やすことができます。この値を変更した場合は、Web サーバーをいったん停止してから再起動して、変更内容を有効にする必要があります。 |
ScriptFileCacheTTL REG_DWORD |
有効範囲: 0〜0x7FFFFFFF, 0xFFFFFFFF デフォルト: 300 秒 |
この値は、スクリプト ファイルをメモリ キャッシュ内に保持しておく時間を示します。この時間内にスクリプト ファイルがまったく参照されなかった場合、それらはメモリ キャッシュから排除されます。データ ファイルの数が制限されている場合や、クライアントが少数のスクリプト ファイルしかアクセスしない場合には、この値を増やすことで良好な結果が得られることがあります。値 0xFFFFFFFF はスクリプト ファイルが常時キャッシュされることを示します。この値を変更した場合は、Web サーバーをいったん停止してから再起動して、変更内容を有効にする必要があります。 |
ScriptTimeout REG_DWORD |
有効範囲: 0〜0xFFFFFFFF デフォルト: 90 秒 |
この値は、Active Server Pages がスクリプトに対して許可する実行完了時間を示します。この時間内にスクリプトが完了しなかった場合、サーバーはそのスクリプトを強制終了してイベント ログにイベントを書き込みます。この設定は、スクリプト内で Server.ScriptTimeout メソッドを呼び出すことにより、無効にすることができます。-1 は特別な値であり、設定した場合スクリプトに対して無制限の実行完了時間が与えられます。この設定を変更した後に Web サーバーをいったん停止して再開し、変更内容を有効にするという作業は必要ありません。 |
SessionTimeout REG_DWORD |
有効範囲: 1〜0xFFFFFFFF デフォルト: 20 分 |
この値は、Session オブジェクトに関連する直前の要求があった時点からその Session オブジェクトを保持しておくべきデフォルトの時間を示します。この設定は、スクリプト内で Session.Timeout メソッドを呼び出すことにより、無効にすることができます。この設定を変更した後に Web サーバーをいったん停止して再開し、変更内容を有効にするという作業は必要ありません。 |
StartConnectionPool REG_DWORD |
有効範囲: 0 または 1 デフォルト: 1 |
このフラグは、ODBC 接続のプール処理をオン (デフォルト) またはオフのどちらにするかを制御します。この設定を変更した場合は、Web サーバーをいったん停止してから再起動して、変更内容を有効にする必要があります。 |
ThreadCreationThreshold REG_DWORD |
有効範囲: 1〜0xFFFFFFFF デフォルト: 5 |
この値は、Active Server Pages の共有キュー内に保持することのできる要求 (特定のスレッド上で実行する必要のない要求) の数を示します。共有キュー内にある要求数がこの値を超えると、スレッド プール (送られてきた要求を処理するために ASP が作成するスレッドの集合) 内にあるスレッドの総数が ProcessorThreadMax で設定した最大値よりも少ないときだけ、新しいスレッドがスレッド プールに作成されます。この値を変更した場合は、Web サーバーをいったん停止してから再起動して、変更内容を有効にする必要があります。 |